スポンサーリンク

字書きがもらって嬉しい感想〜形式編〜

2020年5月17日

こんにちは。
世界のほんの隅っこではありますが、同人字書きとしてそこそこの年数活動しているので、
「字書きの人にどういう感想を送ればいいかわからない」「急に日本語使いが正しいか不安になる」という話をちょくちょく耳にするので記事にしました。
長くなったので形式編(本記事)と文面編に分けます。

最初に結論ですが、①特に同人活動の場合事情があって感想が欲しくない字書きはどこかしらで宣言しているので、まず感想受け付けているか確認すること②感想と言いつつ、あなたが送りたい&字書きが欲しいのは同意や賛辞です。批評、論評、改善の指摘はそれを求められたときに送りましょう。③必ず送信前に見直しましょう。ノリと勢いでまず送ることを必ずしも悪とは言いませんが、送られた側は数度読み返して反芻します。

送るときの形式(と送られる側の見え方)

70年前、いえ、10年前でもお手紙一択でしたが、現在ではSNSなどの発展により普段一切のやり取りが無くても、作品自体についてコメントを付けるなどして作家さんへメッセージを届けることができるようになりました。
今回は字書きさん相手を想定するので、いくつかに絞ります。

Pixivなどの作品ページにコメントする

おそらく感想を送る側としては一番簡便です。どの作品が、と前提から話をしなくて済みますし、多くのサービスでコメントの字数も限られているので「素敵でした」の一言でも違和感なくメッセージが遅れます。

  • 作品を読んでいなくてもコメントは見れる、ほかの人にもコメントが見える、というサービスも多いので、ネタバレになる内容は書き込み厳禁です。
    • そこを逆手にとって、「アレがアレでとっても素敵で最高でした」などと逆に極限まで語彙力を落とした風を装って書き込むのも手です。これなら自分の語彙力は気にならないでしょう。
  • 誤字脱字についてコメントに書くのは避けましょう。字書きさんがコメント直後に直してくれたとしてもコメントとして残ってしまうので字書きさんとしては自分のケアレスミスを晒され続けることになります。指摘いただくこと自体は大変ありがたいのですが、人間、 自分の間違えたところをいつまでも直視していたくはありません。
    • 字書きの定説として「字書きの校正能力はアップロード直後に3倍になる」と言われており(冗談ではありますが体感正しいと思います)字書きさん側も開き直ってアップロードしてからしっかりチェックするパターンなどありますので、勇気を出してDMなど他の人に見えないところで指摘してあげるとよいかと思います。

受け取る側

感想をもらう側としては、通知設定や書き手さんのマメさによりますが、もらった感想を読むまでに少し間が空きます。

  • どんな形体であれ感想に対しての返事は期待しない方がいいですが、特にコメントが短くなりがち、いろんな人からの感想内容が「最高です!」で被っているなど状況的に返事が難しい場合はスルーせざるを得ないこともあります。
  • 基本的に自分の作品に対しての感想について「最高です」「とても素敵でした」などメッセージいただいていも「読んでくれてありがとうございました」以外に言えることはほぼありません。私は機械的に同じ返事を並べるよりはノーリアクションの方がマシに見えるのではと思います…。
  • あまり細かいコメントにならないことは承知していますが、どんなに古い作品であってもネタバレコメントは控えていただきたいです。

SNSなどのDM・メールを送る

作品ではなく個人相手にメッセージを送るので少しハードルが高めです。
Twitterなどでは特に、メッセージ内容を送ったアカウントについて、送られた側がどんな人なのか覗きに来る、というのは珍しいことではありません。
私は概ね覗きに行ってしまいます。

  • できれば感想のためだけにアカウントを作成するのではなくそのままのあなたのアカウントで話しかけましょう。逃げ隠れするような話ではないはずです。作品への感銘のあまり、普段の様子と180℃違う文になってしまったらその旨申告しておきましょう。
    • 字書きの作品には作者の内面が全部とは言いませんがかなり出ています。その作品を好きだと思ってくれたのなら、どうかあなたもそのまま話しかけてほしいと思います。
  • 個人宛になりますので「どの作品が」好きでメッセージを送っているのか必ず記載しましょう。すべての作品と、そこから滲み出る人柄が好き、である場合には恋文となりますので、ググって別の相応しいページを参照ください。
  • 頭描きに時候の挨拶があると素敵ですが、調べずにサラッと時候の挨拶文が書ける人は中々いないと思います。時候の挨拶に負けない言語レベルで感想を認められるなら良いですが、挫けるようなら潔く省きましょう。
    • 結びの言葉でご自愛ください、などちょっと固めにまとめるのは個人的に好きです。本文で取り乱しているときほど、正気に返ったような落差を見ると、作品に感銘を受けてくれたからなのかなぁ、嬉しく思います。
    • わざわざDMや個人宛メッセージを送ってくれるまでの好意を向けられる時点で十分嬉しいので、格式ばったり、お作法がどうのはあまり気にしないでほしいと思います。
    • 逆に明治くらいのバッキバキの書き言葉文でのお手紙をもらうのも面白いので書き手さんのジャンルやお人柄が許すのであればチャレンジしてみてください。

受け取る側

個人宛の感想であれば、まず通知が入ることになるので概ねあなたの感想は読んでもらえています。
基本、ものを書く人は読む人でもあるので、もらったメッセージはもちろんですが、送ってくれた人の書いたものを読みたがることが往々にしてありますので場合によっては注意してください。

  • あなたが何某かの作品を作る方で有ればもちろんその作品を見に行きたいとも思いますし、送ってくれたアカウントの投稿データを眺めると思った方が良いでしょう。
    あなたの作品についてジャンルが違うだとか、致命的なCP違いが分かっている場合には、感想文中で「このジャンルでは活動していないのですが、創作活動をしていたことがあり」だとか「普段CP違いでの創作をしていますが」など一言断っておくと繊細な字書きさんの事故死を防ぐことに繋がります。
  • 個人宛のメッセージについてはそこそこの確率でお返事が来るかもしれません。ただ、Pixivなどのコメントについてでも書きましたが、書き手さんの作品についての感想へのお返事、というのは基本「読んでくれてありがとう」です。
  • 昨今の同人界隈では特にメールでの感想は珍しく、気合の入ったものに思われるので複製データまで作成の上大事に保管されると思ってよいです。誤字脱字なら可愛いものですが、慣用表現の取り違えなどそのままにしているとそこの印象を強く覚えられてしまいます

お手紙(物理)

このご時世なので、即売会などのイベントなど直接渡せる機会に恵まれてお手紙を書く場合か、セミプロさんなどで事務所、私書箱など設定をしている場合にはお手紙を書くこともできます。
繰り返しますがこのご時世に感想のお手紙をもらえると言うのは、滅多にないことです。
おまけに、お手紙というのは先に述べた形式で最も古くからあり、最も工夫を凝らすことのできる形式でもあります。
そして、渡すまでのハードルはものすごく高いですが、イベントでの手渡しなど一切名前を明かさないことも可能です。
ただ、あなたが一方的な観測者ではなくその字書きさんの作品に好意を持つ人間だということを伝えるのは最低限の礼儀です。HNでもPNでも、Twitterやインスタグラムのアカウント名でもいいからあなたを示す名前は書きましょう。
半分はもらってみたい願望みたいなものになりますが、綺麗な漉き紙の便箋に、良い香りを移し、色鮮やかなインクで書かれた感想が、お洒落な封蝋で閉じてある封筒とか佇まいだけで感動ものですよ。
(この辺のロマンとこだわりを突き詰める感覚は同人誌作る感覚と同じかと思います)

受け取る側

印象深くなるのはもちろん、同人(それも字書き)界隈では結構な確率であなたのお手紙が『初の物理お手紙感想』です。
ただ、あまりにも嬉し珍しいため渡された段階で封筒に目が行っていて渡してくれた方についてうろ覚えになりがちですので、気恥ずかしいのでむしろ自分への印象は薄くて良い、というシャイな方はコダワリの封筒で感想をお渡しするもの作戦としてアリかもしれません。

以上が形式編です。
もちろん、いち字書きの個人的な所感ではありますが、参考にしていただければと思います。
物理お手紙の便箋と封筒と封印(シールとか封蝋とか糊とかです)は文化の長さを感じさせる豊富な種類があり、今時ご友人に送るのは躊躇われるような気合の入ったものも、好きな作家さん相手ならだったら惜しくない、むしろ使ってみたかったあれこれを使おう、と思っています。

>>後編
字書きがもらって嬉しい感想~内容編~